支払滞納でブラックリストに載る? 掲載されるケースや注意点
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カードローン、住宅ローンなどの借金はもちろん、携帯料金、家賃、奨学金などの支払いを滞納するとブラックリスト(信用情報)に載ってしまう可能性があります。
ブラックリストに載ると、新たにローンが組めなくなる、クレジットカードを利用できなくなる、携帯電話の分割払いができなくなる、賃貸契約の審査が通りにくくなる、など生活においてさまざまなデメリットが生じてしまいます。
今回は、ブラックリストに載ることのリスク、いつブラックリストから解除されるかなどについて、ベリーベスト法律事務所 天王寺オフィスの弁護士が解説します。
1、支払いを滞納するとブラックリストに載るのか?
ブラックリストとは、どのようなものなのでしょうか。また、どのような場合にブラックリストに載ることになるのでしょうか。
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(1)ブラックリストとは
「ブラックリスト」という言葉を聞くことがあると思いますが、実は、ブラックリストというリストは存在しません。いわゆるブラックリストと呼ばれているものの正体は、信用情報機関に事故情報が掲載されている状態のことをいいます。
信用情報機関には、以下の3つの機関があります。- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
信用情報機関では、個人の借入や返済状況などの信用情報を管理しています。
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(2)どのような場合にブラックリストに載るのか
では、どのようなことがあればブラックリストに載ってしまうのでしょうか。ブラックリストに載ってしまう代表的なケースとしては、以下のものが挙げられます。
- ① 支払いの滞納
借金を返済期日までに支払うことができなかった場合やカードローンの引き落としができないなどの滞納が生じた場合には、ブラックリストに載ってしまいます。ただし、支払いを滞納してすぐにブラックリストに載るというわけではなく、返済日から61日以上または3か月以上の滞納でブラックリストに載ります。
- ② 代位弁済
代位弁済とは、借金をした本人が支払えなくなった場合に保証人や保証会社が代わりに借金を弁済することをいいます。たとえば、住宅ローンの支払いを滞納した場合には、保証会社が金融機関に代位弁済をすることになりますが、このような代位弁済もブラックリストに載る原因となります。
- ③ 任意整理
任意整理とは、借金の返済繰りが難しくなった際、債権者との交渉によって将来利息のカットや返済方法の変更などを求める債務整理の方法をいいます。任意整理をした情報もブラックリストに登録されます。
なお、過払い金請求も任意整理の一種ですが、借金の完済後の過払い金請求であれば、ブラックリストに載ることはありません。
- ④ 自己破産・個人再生
自己破産や個人再生といった、法的な債務整理を行ったという情報についてもブラックリストに登録されます。
- ① 支払いの滞納
2、ブラックリストに載るとどうなる? リスクや注意点
ブラックリストに載ってしまうと、以下のようなリスクが生じます。
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(1)クレジットカードの作成・利用ができなくなる
クレジットカードを新規に作成する場合、クレジットカード会社は、申込者の信用情報を確認します。そのため、ブラックリストに載っていることが確認されると、信用が失われ審査に通らないため、クレジットカードを作成することができません。
また、現在利用しているクレジットカードについても、支払いを滞納していれば利用が停止される可能性もありますし、更新のタイミングで使えなくなる可能性もあります。 -
(2)新規の借入や各種ローンを組むことができなくなる
新規の借入やローンの申し込みをする場合には、金融機関や消費者金融業者は、申込者の信用情報を確認します。そのため、ブラックリストに載っていることが確認された場合には、新規の借入や各種ローンを利用することはできません。
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(3)携帯電話・スマートフォンの分割払いができなくなる
携帯電話やスマートフォンを購入する際に、機種代金を分割で支払うことも多いでしょう。このような分割払いもローン契約の一種ですので、ブラックストに載っている場合には、審査に通らず、分割払いでの購入ができなくなってしまいます。
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(4)賃貸契約の審査が通りにくくなる
賃貸借契約をする際には、賃借人の信用情報の照会が必須というわけではありません。しかし、家賃保証会社の利用が義務付けられている場合やクレジットカードによる家賃の支払いが指定されている場合には、信用情報機関への照会が行われます。その結果、ブラックリストに載っていることが判明した場合には、入居審査に通らない可能性があります。
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(5)借入の保証人になれない
借金をする場合には、借入をする本人だけではなく、保証人についても審査の対象になります。そのため、ブラックリストに載っている場合には、保証人になることができません。
3、ブラックリストへの掲載はいつまで? 早く解除する方法はある?
ブラックリストに載ってしまった場合には、いつまでその情報が掲載されるのでしょうか。
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(1)ブラックリストの情報は一定期間で削除される
ブラックリストに掲載された事故情報は、永久に掲載され続けるわけではなく、一定の条件を満たした場合には、削除されます。
ブラックリストの掲載期間は、個人信用情報機関や登録理由によって、以下のように異なります。
理由別│ブラックリストの掲載期間支払いの滞納 代位弁済 任意整理 自己破産 個人再生 CIC 完済から5年 完済から5年 完済から5年 免責決定日から5年 完済から5年 JICC 完済から5年 完済から5年 完済から5年 免責決定日から5年 完済から5年 KSC 延滞解消日から5年 完済から5年 登録されない 開始決定日から10年 開始決定日から10年 -
(2)ブラックリストの情報を早く削除するための方法
ブラックリストに事故情報が掲載されてしまうと5年から10年はブラックリストへの掲載が続くことになります。ブラックリストに掲載されている間は、新規のローンやクレジットカードの申し込みができないなどの不利益が生じますので、早めに情報を削除したいところです。
ただし、ブラックリストの掲載期間は、債務者からの働きかけによって短縮することはできません。できる限り早く借金を完済するのが唯一の方法です。ブラックリストの掲載期間のスタートは、「完済から」というケースが多いため、早めに完済をすることができれば、ブラックリストから抹消される日も早くなります。
しかし、支払いが滞納している方は、借金を完済することが難しいケースに陥っていることが珍しくありません。弁護士に早めに相談するなどして債務整理を開始し、支払い負担の軽減や期間の短縮をすることで、ブラックリストの早期削除を目指しましょう。
なお、債務整理をした情報についてもブラックリストに掲載される点には注意が必要です。
4、支払いが難しい場合に債務整理を検討すべき理由
借金の支払いが難しい場合には、債務整理をご検討ください。
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(1)借金の負担を軽減することができる
債務整理を行うことによって、借金の総額が減ったり、月々の返済額が減ったりするなど返済の負担を軽減することができます。借金を返済する負担が軽減すれば、それだけ早く完済することができるということになりますので、ブラックリストからの抹消時期も早まるといえます。
債務整理をしたという情報もブラックリストに載ってしまいますが、その情報についても一定期間が経過すれば自動的に削除されます。債務整理をしないまま借金を放置している方がデメリットも大きいため、早期の債務整理をおすすめします。 -
(2)弁護士に相談をすれば最適な債務整理の方法を選んでくれる
債務整理の方法には、任意整理、自己破産、個人再生という3つの方法があります。いずれも借金の負担を軽減することができる方法ですが、負担軽減の効果はどの方法を採用するのかによって大きく異なってきます。
たとえば、自己破産であれば借金をゼロにすることが可能ですが、その反面、一定金額以上の財産をすべて手放さなければならないというデメリットもあります。また、任意整理であれば、保証人付きの借金を除いて債務整理をすることができますが、自己破産や個人再生ほどの負担軽減は期待できません。
このように債務整理の方法には、それぞれメリットとデメリットがありますので、それらを十分に理解した上で、手続きを選択することが大切です。弁護士に相談をすれば、個人の具体的な状況に応じて、最適な債務整理を選ぶアドバイスがもらえるため、より効果的に借金の負担を軽減することが可能になります。
5、まとめ
借金を滞納するとブラックリストに載ってしまう可能性があります。ブラックリストに載ってしまった場合には、さまざまなデメリットがありますので、早めに債務整理を行い、滞納を解消することが大切です。
弁護士に債務整理を依頼すれば、適切な債務整理を提案してもらえ、さらに代理人として債権者との交渉を任せることもできます。複雑な手続きをすべて一任することができますので、借金問題でお困りの方は、ベリーベスト法律事務所 天王寺オフィスまでお気軽にご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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