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交通事故の結果回避義務とは? 過失割合の考え方

2024年03月15日
  • その他
  • 過失
  • 結果回避義務
交通事故の結果回避義務とは? 過失割合の考え方

大阪市が公表している交通事故の発生状況の報告によると、令和4年に大阪市内で発生した交通事故の件数は8106件でした。

こうした交通事故の被害には、被害者にもかかわらず過失が生じた方がいるかもしれません。被害者側にも過失がある場合には、その責任の度合いを過失割合として示し、交通事故の賠償金から過失相殺されることになります。交通事故の過失割合は、最終的な賠償金の金額にもかかわる事項ですので、しっかりと理解しておくことが大切です。

本コラムでは、交通事故の過失割合の考え方や結果回避義務と結果予見義務などの過失割合に関する基本的な概念について、ベリーベスト法律事務所 天王寺オフィスの弁護士が解説します。

1、交通事故における過失割合の考え方

交通事故における過失割合とはどのようなものなのでしょうか。

  1. (1)交通事故の過失割合とは

    交通事故の過失割合とは、実際の交通事故に関して、加害者と被害者にどのくらいの責任があるかを数値化したものになります。

    たとえば、信号待ちで停車している車に追突したケースでは、停車中の車は事故を避けることはできませんので、事故に関する責任はありません。そのため、このようなケースでは、被害者と加害者の過失割合は、0:100になります。

    他方、交差点での出合い頭の事故のように、双方の車が動いている状況であれば、被害者にも一定の過失割合が生じます。

  2. (2)過失割合の決め方

    交通事故が起きると警察による実況見分が行われますが、過失割合を決めるのは警察ではありません。

    交通事故の過失割合は、まずは被害者と加害者の話し合いによって決めることになります。通常は、お互いに任意保険に加入していますので、保険会社の担当者同士の話し合いで過失割合は決められます。

    その際には、「別冊判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」という書籍を参考に基本の過失割合を定め、個別の事情による修正を加えて、最終的な過失割合を決定します。

    なお、当事者の話し合いで決まらない場合には、最終的に裁判所に訴えを提起し、裁判所に判断を仰ぐことになります。

  3. (3)過失割合は賠償額に影響する

    交通事故の過失割合は、被害者が最終的に受け取る賠償額に影響してきます。

    被害者にも過失がある場合には、すべての損害を加害者に負担させるのは不公平であることから、過失相殺によって損害の公平な分担を図ります。たとえば、被害者の損害額が100万円で10%の過失が認められた場合には、過失相殺によって10万円が控除され、最終的な賠償額は90万円になります。

    このように過失割合の大きさによって、最終的な損害額が大きく変わってきますので、被害者としては適切な過失割合を定めることが重要になります。

2、結果回避義務と結果予見義務

過失があったといえるためには、結果回避義務と結果予見義務という要素が必要になります。

  1. (1)結果回避義務とは

    結果回避義務とは、予見した危険な出来事について、その出来事の発生を回避するための適切な措置をとる義務をいいます。たとえば、道路に人が飛び出してきた場合には、ブレーキやハンドルなどを適切に操作し、衝突という結果を回避する義務があります。

    過失は、結果回避義務に違反した状態をいいますが、不可能を強いるものではありませんので、結果回避義務を課す前提として、結果回避が可能であったという、結果回避可能性が必要となります。

  2. (2)結果予見義務とは

    結果予見義務とは、危険な出来事が発生するかもしれないということを予見しなければならない義務のことをいいます。たとえば、車を運転する人には、常に車や歩行者が飛び出してくる可能性を予見して車を運転しなければならない義務があります。

    結果回避義務と同様に結果予見義務についても不可能を強いるものではありませんので、結果予見義務の前提として結果予見可能性が必要になります。

  3. (3)交通事故の過失は予見可能性に基づいた結果回避義務の有無・程度で変わる

    交通事故の過失は、事故が起きるという結果予見可能性がありながら、結果予見義務を怠り、結果回避可能であったにもかかわらず、必要な措置を講じなかったこと(結果回避義務違反)をいうとされています。

    どのような結果回避義務が課されるかは、具体的な事故状況によって異なりますが、結果回避義務の有無や程度によって、交通事故の過失割合は変わってきます。
    たとえば、停止中に追突されたようなケースであれば、どんなに注意を払っても結果回避は不可能ですので過失はありません。

    他方、信号機のない交差点では対向車が右折してくる可能性を予見できますので、直進車と対向右折車との間で事故が起きた場合には、直進車にも過失割合が生じます。

3、過失割合に不満があった場合

交通事故の過失割合に不満があった場合には、どのように対処すればよいのでしょうか。

  1. (1)過失割合の根拠を示すように求める

    交通事故の過失割合は、「別冊判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」という書籍を参考に決められます。これは過去の裁判例などを基準に過失割合を類型化したものであり、実務上は、この考え方に従って過失割合を決めていきます。

    保険会社から提案された過失割合に納得ができないという場合には、保険会社がどのような根拠に基づいて過失割合を算定したのか明らかにするように求めてみるとよいでしょう

  2. (2)事故状況に関する証拠を収集する

    保険会社が過失割合を算定した根拠と実際の事故態様との間にずれがある場合には、過失割合を変更できる可能性があります。このような場合には、まずは、具体的な事故状況を客観的に立証するための証拠を収集する必要があります。

    事故状況を明らかにするための証拠としては、以下のものが考えられます。

    • ドライブレコーダー
    • 実況見分調書
    • 車両の傷やへこみ
    • 目撃者
  3. (3)証拠を提出して過失割合の変更を求める

    上記の証拠が集まった段階で、保険会社に証拠を提出し、過失割合の変更を求めます。保険会社が過失割合の算定をする際に前提とした事故状況と客観的証拠が示す事故状況とが異なっていることが明らかになれば、保険会社も過失割合の変更に応じてくれる可能性があります。

    ただし、保険会社の担当者は、契約者である加害者の意向に反して過失割合の変更をすることはできません。加害者が過失割合の変更にかたくなに応じないようなケースでは、話し合いでの変更は困難ですので、訴訟に切り替えていく必要があります

4、交通事故は弁護士へ相談を

交通事故に関するお悩みは、弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)適切な過失割合を判断してもらえる

    過失割合は、事故態様に基づく基本の過失割合と個別事情に基づく修正要素に分かれていますので、それぞれを正確に理解していなければ、適切な過失割合を導くことができません。

    弁護士は、交通事故の過失割合に関する裁判例を熟知していますので、保険会社から提示された過失割合が適切なものであるかどうかを判断することができます。

    保険会社から提示された過失割合に納得ができないという場合には、それが適切な過失割合であるかどうかを判断するためにも、まずは弁護士にご相談ください

  2. (2)過失割合の立証に必要な証拠収集をサポート

    過失割合の変更を求めるためには、自分に有利な過失割合を認定するための証拠が不可欠となります。ドライブレコーダーの映像であれば、自分の車から簡単に入手することができますが、実況見分調書については、一般の方では入手するのも難しい証拠となります。

    弁護士に依頼をすれば、過失割合を裏付ける証拠収集のサポートもできますので、自分だけでは証拠が集まらない、どのような証拠が必要なのかがわからないという方は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

  3. (3)保険会社との交渉を任せることができる

    過失割合や賠償額の交渉は、基本的には、被害者が保険会社の担当者との間で進めていかなければなりません。交通事故の治療もしなければならない状況で不慣れな示談交渉をするのは非常に大きな負担やストレスになります。

    弁護士は示談交渉も得意としています。弁護士に一任すれば、保険会社との対応はすべて行うため、保険会社とのやり取りで煩わしい思いをすることはありません。また、弁護士を介した損害賠償請求では、被害者にとって最も有利な慰謝料の算定基準である弁護士基準(裁判所基準)を用いることが可能になります。少しでも有利な条件の示談を希望する場合には、弁護士に依頼することをおすすめします

5、まとめ

被害者にも事故の責任がある場合には、過失相殺によって賠償額が減額される可能性があります。どの程度の過失割合が認定されるかによって、最終的な賠償額は大きく異なってきますので、被害者としては適切な過失割合を主張していくことが重要です。

保険会社から提示された過失割合に納得できないという場合には、弁護士のサポートにより過失割合を変更できる可能性があります。まずは、ベリーベスト法律事務所 天王寺オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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